六十四卦の第二十八卦は沢風大過(たくふうたいか)です。
この卦は、上は沢、下は風の卦でできています。沢風大過の下卦、つまりここでは風
の卦のことですが、これを木にみたてます。やわらかい灌木です。この卦の沢は確かに 木を潤わせますが、潤わせ過ぎて、木を水浸しにしてしまいます。水が多すぎですね。そ して、結局は木を枯らしてしまうわけです。これは、分相応ではなく、分に過ぎた生活を 象徴しています。
この卦の名の「大過」は、大き過ぎるという意味です。この卦は、初コウと上コウに陰が
あり、陰陽のバランスがとれておりません。そしてこれを放置すれば、後に災いを招くこ ともあります。
現在の状況ですが、自分の技量に過信があります。分に過ぎた事業に手を出し、能力
も財力も追いつかず、人材にも恵まれず、収拾もつかない泥沼にはまりこんだ有様です ので、ここは無理にあがくのではなく、冷静に思いきって撤退することを心がけましょう。 勇気有る撤退を決断することができるかどうかが、ポイントです。
さて、第二十八卦、沢風大過の象意をまとめますと、以下のようになります。
沢風大過の卦名の「大過」は、大き過ぎるという意味です。この卦は、初爻と上爻に陰
があり、陰陽のバランスがとれておりません。そしてこれを放置すれば、後に災いを招く こともあります。
沢風大過の卦は、よくやわらかい灌木が沢の水で潤う様にみたてられますが、この卦
の沢は確かに木を潤わせています。しかし、この水が木を潤わせ過ぎて、逆に水浸しに してしまい、結局は木を枯らしてしまいます。
これは、分相応ではなく、分を過ぎていることを象徴していますので、何事も行きすぎに
は注意が必要です。
:重要な任務を与えられますが、あなたの実力がそれに伴いません。完全にキャ
パオーバーです。このようなときには、何事も安受け合いせず、慎重に対処しましょう。
:あなたには目標が多すぎはしませんか。実力より少しやさしい所をねらいなさ
い。また独断をさけて、先輩に相談すればよい知恵がうかぶときです。
:なかなか出にくいときです。
:何事も行き過ぎて挫折、失敗します。重任、重責を背負って身動きできず、大き
な過ちをしてしまいます。人間関係の背反があります。基礎土台は弱く危険です。
:希望、目標が大き過ぎて望みをかなえるのは困難です。人間関係の背反から
望みの達成は困難です。
:表現の行き違いから誤解が生じ、高飛車に出ると歯車があいません。
:力量以上の拡張、進展は失敗します。上下の意見の背反に注意。創業、転業
などはよくありません。
:欠落住宅の場合が多い、点検の必要があります。新、増築はよくありません。
改築は場合により吉、移転は凶です。
:立場や地位また年齢的に大きな差があります。高く望みすぎて交際が重荷にな
ります。ことばの表現から誤解など生じてそむきやすい。これまでの仲は離別となる恐れ があります。
:まとまり難い、強いて結ばれても互いに自我を主張してうまくいきません。思っ
たより難しく、結婚が新たな苦難の始まりとなります。家庭不和分裂の意味です。色情問 題からトラブルが発生する傾向にあります。
:計画に無理がないか再検討すること。背伸びして間違いが起きやすい。旅先で
の事故に注意すること。
:材料以上に高騰することで油断安心していると急落となって損害、警戒が必要
です。
:肺結核、胃腸疾患、腎臓病、ガン、経水不順、子宮病、吐気又は下痢の症状、
アルコール中毒など、暴飲暴食、暴淫などすべて物事が過ぎて発病し、命にもかかわり ます。急病はよく治療することです。
:慎重な養生が大切です。難産の恐れがあります。
:多くの人に抜きん出た人物、親方、ボスといった人物。また一家をなした実力
者。個性が強く無鉄砲で行き過ぎのある人。身体の大きい人。酒豪。老いてますますさ かんな人。
第二十八卦 沢風大過については以上です。
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