六十四卦の第十二卦は天地否(てんちひ)です。
この卦は、上は天、下は地の卦でできています。この卦では天は上に高く、その気が
地に通じず、地は下に低く天に通じません。陽と陰の気が相交わることも無く、上下の和 合無く、生成もありません。これはまさに「八方塞がり」状態です。
天地否の卦名の「否」は、「閉じ塞がって通じない」、「物事の関係が調和無く、分散・離
脱している」状態を象徴しています。
すべてが行きづまりで、事がはかどりません。苦労が多く、正当な意見も通りません。
努力しても認められないという有様です。
しかし、ここで自暴自棄になってはなりません。短気は厳禁です。もし短気を起こすと、
いよいよ取り返しがつかなくなります。
現在は、つらく苦しいときかもしれませんが、何事も時機を待つことです。やがて喜び
の日が必ずやって来ます。春を待ちましょう。
天地否の象意をまとめますと、以下のようになります。
「否」は「塞がる」という意味で、物事が停滞して通じないことですが、ここでいう「否」に
は、この運勢が自然と導き出されたのではなく、自分自身が原因で、そのような事態にも っていってしまったという側面が強いものです。
いわば、これは自業自得でもありますが、ここで自暴自棄になるのではなく、身を慎み
隠忍自重、悪あがきをするのではなく、時を待ちましょう。
現在はつらい状態かもしれませんが、やがて報われる時がやって来ます。
:不安定。食い違い、行きづまりの状態。見かけだけで芯はもろい。ここは隠忍
自重して、足下を固めること。
:この卦では合格は考えられません。
:内でなくした小さい物なら、おくれても見つかります。家の中の東および北を
捜してみてください。外でなくした物は、出にくいし、また内部に心のよくない人がいて、 外に物を持ち出すこともあるときです。
:すべての点が塞がった状態になっているためにままなりませんが、あせって出
ない好機を待つ姿勢が大事です。こちらの意見が通らずに始めは苦しみますが次第に 上向いてきます。
:望みをかなえようとするより現状を守ることが大切です。これまで塞がれていた
事も間もなく突破できます。
:相手の強圧的な態度に押されますが、まともに応じないで一歩ゆずって他日に
期待してください。
:努力の甲斐もあまりなくて出費が多く収入は少ない状態です。時勢や環境が悪
いので時期を待つことです。
:居心地、日当たりともに悪く発展は望めません。衛生状態もよくありません。移
転や建築は延期すること。
:異性に恵まれません。仮に交際があっても進展しないし、対話不足のためにお
互いに理解しあえないことがあります。今は相手がいませんが先行き希望はあります。 逆に今親密な相手は先になって離別するかもしれません。
:婚期をすぎてなお縁のうすい人です。交際範囲が狭く愛嬌が乏しいために縁談
がありません。縁談があってもあと一歩でまとまらず、結婚後も万事に恵まれなくて家庭 の平和は得られません。
:できれば取りやめたほうが無難です。旅先で災害の起きやすいときです。
:突破口が見つからなくて動きのないとき。現在高いものは下落し、低いものは
先行き騰勢に転じます。
:脳障害、憂うつ症、喉頭がん、声帯疾患、肺結核、肋膜、血行不順、元気消
耗、過労など。精神的な安定を欠き気力がなく病気は悪化します。
:支障があって厄介な状態になりやすいので、体力をつけて良医の指導を守って
ください。
:目上の人や上司のために苦労します。無口で交際範囲が狭く、楽しみが少なく
て恵みのうすい人です。見かけは楽しそうでも内面に苦しみのある人で、文才があっても 運に乏しく、見栄っぱりで貧乏をします。薄命の人。
第十二卦 天地否については以上です。
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