六十四卦の第六卦は天水訟(てんすいしょう)です。
この卦は、上は天、下は水の卦でできています。
天体の運行は、高く天にて行われ、水は下にありて低き所へと流れます。天は高く上
に、水は下へと、行く方向が全く逆のものとなっているわけです。そしてここから、離反、 人の争いといった意味が導き出されるわけです。 この卦の「訟」は「争う」ことです。この 卦の意味は「もめごとで苦しむ。つまらぬ片意地を捨てて協調を心がけなければならな い」といったところです。
人の日常生活では、いろいろな争いがあります。お互いが意固地になってしまうと、話
は平行線のままですね。ここで大切なことは、争いになる前の状態に返ることです。これ は、原点に立ち戻り、その訟の原因を究明することです。そしてそこから解決の糸口を 見出すのです。その際には、互いが協調し合うことは言うまでもありませんね。
我を通しますと、対立や反発は強くなります。ここでは片意地を捨てて歩みよりましょ
う。諺に「負けるが勝ち」というものがありますが、まさにこの気持ちで、おおらかに、ゆと りをもって訟を処理しましょう。
天水訟の象意をまとめますと、以下のようになります。
「訟」とは「争い」の意。天水訟の象意は、「離反」、「人の争い」です。これは些細なこと
から、もめごとで苦しむことを表しています。最もベストの状態は、争いが始まりそうにな
ったら、自己の立場をわきまえて、十分反省し、争いが起こらないようにすることです
が、争いが起きましたら、片意地を捨てて歩みよりましょう。おおらかに、ゆとりをもって
争いを収めましょう。最後まで争うのは、得策ではありません。いや、むしろ凶です。
:もめごとで苦しむ。つまらぬ片意地を捨てて周りの人々との協調を心がけるこ
と。
:無理です。あなた自身が、学校を再検討してください。
:盗まれてなくなる場合の多いときです。警察に早く届けることです。家庭内で
なくなった物は、自分の思い違いの多いときです。
:時勢や時流と調和できないで何事も円滑に運ばないために、口論や争いごと
が多く人間関係の融和をかくことがあります。目上の人との争いごとが起きますが負け るが勝ちです。
:目標がまわりの事情と一致しないので方針を変更する必要があります。文書な
どの欠陥や手落ちには注意することです。
:和解、親和を第一に考えて結果を急いではいけません。無理をしないで不成功
のときは他日に期待しましょう。
:官庁や親会社との問題、それに社会的な問題が起きやすいので、内部の融和
を考えるべきです。
:貸借問題などで争いごとが起きやすいときです。気に沿わないことがあって移
転を考えますが、新増改築は好ましくありません。
:意見のくい違いがあり仲直りするようでなかなかしません。こちらからの歩みよ
りが大切です。争いごとがあって別れる恐れもあります。
:たとえ正式な仲人による話でも良縁ではないので断ったほうが無難です。親し
みが少なく争いごとが絶えません。離縁の恐れもあります。裁判問題に発展するかもし れません。
:支障があれば中止すること。無理に行くと手違いが生まれます。旅行の手続き
は正確にすることです。
:材料と価格が一致しないときです。現在高くても下降し、現在低くても上昇する
という不安定さがあります。
:頭痛、逆上、ノイローゼ、下痢、不眠などで大体において難病です。医師の誤
診に注意すること。
:養生が大切です。冷えに注意。安産です。
:争いごと、背反、訴訟が多く第三者と親しくなりにくい性格です。苦労するわりに
功が少なく偏屈です。人の上に立っていても苦労が絶えず、お世辞下手で敵の多い人で す。
第六卦 天水訟については以上です。
|