六十四卦の第五卦は水天需(すいてんじゅ)です。
この卦は、上は水、下は天の卦でできています。天の上にある水は雲であり、現在は
その雲が発達した雨雲となり、雨となって降ってくるのを待っている状況です。
この卦の意味は「危険を前にして隠忍自重する形。時節の到来まで悪あがきせずに時
を待て無て。」といったところです。
この卦はすべての面で、「待つ道」を象徴しております。この卦名の「需」は「待ってい
る」・「求める」という意味です。
この卦は「梅花雪裡の春」−梅の花が冬の寒さに耐えて、雪の中でじっと春を待つ−と
いう言葉に例えられます。何事も時期を待たず、無理をしますと、物事は成就するのが 難しくなります。こういう時は、自然の流れに身をまかせ、時節の到来を待ちます。その 間は鋭気を養っておきましょう。
ここで注意すべきことですが、この卦は「待つ」ことを象徴しておりますが、この時、万
事ただ漫然といつまでも待っているのではなく、情勢を注意して見極めなければなりませ ん。時には長い間の忍耐を強いられることもありますが、あせってはなりません。
水天需の象意をまとめますと、以下のようになります。
「需」とは「待つ」の意。これは、すべての面で「待つ」ことを象徴しております。しかしそ
の一方で、「誠が実って期待していたことが実現される」ことを説いておりまので、あせら ず、正直に、日々を大切に積み上げ、みずからの道に励みましょう。
:危険を前にして隠忍自重する形。「急いては事をし損じる」の言葉の例えもあり
ます。時節の到来まで鋭気をやしなって待ちましょう。
:あなたの実力さえできたら、裏口入学ではなく、正式に入ったほうがよいときで
す。
:なかなか出てきません。家の中の物は時がたって見つかることもあります。
:実力を蓄え英気を養って好機を待つときです。環境や事情は味方になりません
ので焦らずに悠然とした態度が必要です。そうすればやがて好機が訪れます。飲食の機 会に運気が変わります。
住居、旅行のときの災難に注意してください。
:機が熟すのを待って進めば達成します。積極的より受け身で勝負すべきです。
大きな望みは、あせらずまだ先にのばしてください。
:無理押しすれば争いが表面化します。会食を利用すると効果があります。
:強引に進むと不利です。静観して現状維持に心がけるのが得策です。
:新築、増改築などすべて見あわせると無事です。移転もよくありません。
:どちらかというと親しさに乏しく、無理押しをすると、トラブルが起きたり、不和の
もとになります。環境が悪いため、あせっては元も子もなくなります。飲食の機会から親 しい気持がうまれることがあります。
:周囲の理解や協力が得られないので進展をみません。心をおちつけて好機を
待つことが大切です。結婚しても当分安泰は得られませんが先行きは希望がもてます。
:延期したほうがいいです。強行すると障害が起きます。旅先で雨にあうか食中
毒の恐れがあります。
:上昇の気をはらむが、まだ環境がととのわず冴えません。しかし時を得て騰勢
歩調になります。
:頭痛、溜飲、中耳炎、肺病、胃腸病、怪我など。軽症と思って油断すると重症
になります。あせって治療すれば体調をくずし、放っておくと持病化します。対処が困難 です。
:産期が遅れますが無事です。胎児は大きいので産婦の栄養摂取は十分に。
:人望を抱いているが好機に恵まれません。冷徹で理性的、カン難を背負ってい
ます。野にあって機会を待つ賢さがあります。現在生活に困っていても将来は成長株で す。
第五卦 水天需については以上です。
|