六十四卦の第三卦は、水雷屯(すいらいちゅん)です。
上には水の卦、下には雷の卦、これが水雷屯です。ここでの水は雷雲のこと、そして
雷は、雨が降りそうでも、未だ雨が降らない、降りそうな勢いはあるが、はっきりしない状 態を示しています。
「夕立がきそうで暗雲がたちこめています」、これはまさに「物事の創始の難しさ」を象
徴しております。「屯(ちゅん)」という文字は、草木の芽が地面に出ようとする勢いを示し ていますが、まだ地面に芽を出すことができない状態ですね。
ここから、この卦象は、「物事が、成長し発達しようとして、今まさに生みの苦しみの真
っ只中にいる」ということになるわけです。四難卦のひとつです。
水雷屯は四難卦のひとつといわれておりますが、しかし、これは全く悲観することでは
ありません。運勢が悪いというわけでもありませんので、ご安心ください。
水雷屯の雷雲は、やがて雷雨を降らすせます。しかし、草木は雨水の潤いで、力強く
伸び伸びと育つことができるのです。
難関を打ち破る努力によって運勢が開けます。また、大いなる発展もあることでしょう。
水雷屯の象意をまとめますと、以下のようになります。
「屯」という字は「ちゅん」と読まれ、「行こうとしても、大きな川があり、行くことができな
い」という意味をもっております。しかし、この卦の趣旨は、難所が待ちうけているからと いって、気を落として目標を断念するのではなく、元気を出して、気力を盛んにして難関 を突破することにあります。だからこそ運が開き、大きな発展もあるのです。
:困難な創業期。生命力はあるものの充分に伸びきれない。忍耐と努力が肝要
です。
:現状では希望校は無理です。しかし、あなたの半年間の勉強いかんによって、
可能性が出てくるでしょう。
:なかなか見つかりにくいようですね。外にあるものは発見できますが、内に
あるものは捜しにくいときです。昼間の明るいときに捜してみましょう。そうすれば見つか るでしょう。
:万事について新たに始めるか再出発する時ですが、まだ好機ではありません。
困難がともなうでしょう。
:達成までは苦労しますが、良き協力者や助言者に従うと望みがかないます。短
気は損です。短気をおこすと失敗します。
:無理に進んで相手の策略に陥ってはいけません。じっくりと腰を据えましょう。
解決までには時間がかかります。
:新しい事業は今の苦労が先で実ります。従来のことは、頭打ち状態でなかなか
前進しません。
:住居については悩みのある時ですが、新築は避けましょう。
:心に思うばかりで意のままになりません。障害があって当分は陽のあたらない
仲です。人目を忍んで会う仲でもあります。よき協力者が必要となります。
:あえてまとめるほどの縁談ではありません。期が熟していないし周囲の助けも
ないでしょう。思うように進展しません。または結婚しても当分は経済的な悩みがありま す。
:旅行先でトラブルが起きやすいので、できれば他の機会にしたほうがよいでし
ょう。
:環境、材料ともに悪い状態です。しかし底が堅く、騰勢になりしだい上昇しま
す。ただし油断は禁物ですね。
:溜飲、食滞、腎臓、婦人は血の道、下痢、小児の風邪、歩行困難な病気など、
はじめは症状がはっきりしなくて急変はしませんが長引きます。湿気、寒気、冷気には注 意すること。
:男児を懐妊しますが難産です。
:才能はありますがまで世に出ていません。下積みになって苦しみます。創業
者、発明、発見家です。最後には抜群の力を発揮しますが、辛抱しきれずに飛びだして しまいます。住所移転の気持ちがあります。
第三卦 水雷屯については以上です。
|